自転車の歴史

自転車の歴史

自転車は1813年にドイツのカール・フォン・ドライス男爵が氷上でそりを押す姿にヒントを得て発明した「ドライジーネ」と呼ばれる乗り物が起源とされています。ドライジーネにはペダルやチェーンなど、今では当たり前の部品はなく、足で地面を蹴り進めるような構造の乗り物でした。

それから数十年後には蒸気機関車と同じテコの原理を利用して車輪を駆動させるベロシペードが発明されます。この発明によりスピードが向上、同時にペダルも発明されました。その後ベロシペードは改良が加えられ、現在の子供用三輪車と同じ車輪軸にクランクとペダルが付き、自転車を漕ぐかたちへと進化します。

この進化したベロシペードをフランスのミショー親子が量産化することに成功して普及させていったことで、このミショー型ベロシペードは広くヨーロッパ各地に知れ渡ることとなります。1867年には年間約1,000台もの生産を行ったといわれており、大変人気を博しました。

ミショー型の普及が進むにつれてより速くより遠くへ移動することを求める人たちにより、駆動輪を大径化してペダル一回転で進める距離を伸ばしていきます。これがイギリスのジェームス・スタンレーによって開発されたオーディナリーでした。しかしオーディナリーは車輪が大きく不安定で乗り手を選ぶ少々危険な場面の多い乗り物だったため、その後にイギリスのローソンやジョン・ケンブ・スタンレーが開発したローバー型へとそのかたちを変化させていきます。

このローバー型は現在の自転車の構造に最も近く、前後の車輪の間にクランクとペダルが配置されギヤと呼ばれる歯車が取り付けられました。また後輪にもギヤが取り付けられ、それぞれのギヤをチェーンで繋いで動力を伝達する構造になりました。

個人的にはこのチェーンの発明は凄いなと思い、少し調べてみると、チェーンの原型となる構造を発案したのはレオナルド・ダ・ヴィンチだったとする資料があり驚きました。実際にレオナルド・ダ・ヴィンチがこのチェーンの開発までは行っておらず、金属加工技術が進んだ1800年代に開発されたそうですが、諸説あるのか何が本当の始まりなのかはよく分かりません。しかしこのチェーンと呼ばれる歯車に噛み合ってペダルを漕ぐと回転して動力を伝えることのできる部品が発明されたおかげで、自転車のみならず、様々な機械部品が進化していくきっかけになったのではないでしょうか。

自転車の歴史は、ドライス男爵が発案したドライジーネから現代までの僅か200年間ほどと歴史が意外に浅いことがよくわかります。これから先、自転車の歴史がどのようになっていくのかも大変興味深いものです。

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